「モラトリアム・カットアップ・ショーケース」いよいよはじまります!
卒業生の柴野太朗さんの映画「モラトリアム・カットアップ」がいよいよ公開されます。
映画の公開に合わせて、演劇や音楽も一緒に楽しめるイベント「モラトリアム・カットアップ・ショーケース」も同時開催されます。
テアトル新宿で6月11日(土) 21:00〜のレイトショーです!
モラトリアム・カットアップ公式ホームページはこちら。
今回は柴野さんに、在学中のお話や、卒業後どんなことをされていたのかお話を伺いました。
ー 卒業後はどんな風に過ごされていましたか?
秋ごろ、卒業制作のモラトリアム・カットアップを撮って、ちょうどいいタイミングで卒業してすぐ「青山フィルメイト」に呼んでもらえて、同じくらいの時に「ぴあフィルムフェスティバル」の入選の知らせがあったりしたのでそれに向けて動いていました。
ー 応募する映画祭はどのように決めていったのですか?
映画祭に合わせて作る人もいると思うんですけど、自分はどちらかというと作ったものを、どこだったら面白がってくれるかなっていう感じでやっていました。今回は短編だったんですけど、応募要件に合うところに、とにかく出すっしかないっていう感じでしたね。
ー じゃあ卒業制作を映画祭に出していて、その結果を見ながら動いていた感じだったんですね?
自分も就職しなきゃなと考えた時期があって、就職しかけたんですよ、でも自主映画作ってるのと、例えばテレビ業界、CM業界とかで働くことは本質的にはやってることが違うと感じて、自分はそこに身を置く必要はあるのかって思った時に、ないなと思ったんです。だからそっちには行かず、ちょうど「ぴあフィルムフェスティバル」の入選の知らせもあったので、まあ慌てることないかじゃないですけど、フリーターとしてバイトだけやって、とりあえずこの作品で行けるところまで行ってみようっていう風に思ってました。
ー じゃあ、その時「ぴあフィルムフェスティバル」の入選がなかったら、どうなっていたかわからなかったわけですか?
わからないですね。でもまあ、いっつもそうですね。全然先は見通せてなくて、基本的には綱渡りです。
ー 今回は「青山フィルメイト」、「ぴあフィルムフェスティバル」、「田辺・弁慶映画祭」の順番で結果が発表されていったんですよね?
そうなんです。でも、その間に落ちた映画祭もいくつかあって、その度にもう無理かなと思ってたんですけど。
ー なるほど、そういう意味でさっき自分の作品に合うところと、合わないところがあったとおっしゃっていたんですね。
そうなんですよね。自分の作品はわりと、作風も映画っぽくないところがあって、賛否両論なので、だいたい応募しても、全く入選もしないし引っかからないか、自分で言うのもあれですけど、グランプリとるかの二択なんですよ。だから評価が結構割れることも多くて。だから運がいいとしか言えないんですけど。
ー なほど。いくつくらいのコンペティションに応募されたんですか?
多いか少ないかはわからないですけど、10コンペ前後は出してると思います。
ー やっぱり出してみないとわからないものなんですね。
そうですね。だから結構出す前に辞めちゃう人とかいるじゃないですか?あそこの映画祭は自分の撮った映画に合わないかなとか。それよりは、どうせ無名なので、出しちゃった方がいいのかなって気はしてますね。
ー 在学中はどういうやり方で映画を作っていたんですか?
基本的には脚本を先に書いて、それから人を呼んでくるんですけど、声をかけるメンバーはわりと決まってました。全然知らない人っていうのはいないかもしれないです。
ー 役者さんもですか?
役者さんは、今回は学外の方にお願いしてるんですけど、基本的には仲良くなった人から順番に出てもらってます。仲良くなった人からさらに友達を紹介してもらって、少しづつ広げていった感じですね。だから全体的に背伸びはしてないですね。無理して大金払って知らない役者さんにお願いするとか、優秀な技術者の方にお願いするとか、そういうことは今までしたことがないですね。
ー 在学中にチームを作って映画を撮るときに、結構人間関係とかで難しくなることもあったりしましたか?
そうですね……。でも、自分でスタッフを呼んでチームを組んでる時は、現場の空気は悪くないと思います。自分が怒らないってのもありますが 笑
ー なるほど。もう少し詳しく教えていただけますか?
やっぱり自分自身が雰囲気の悪いところではやりたくないので。もちろん、まずは喧嘩になるような人は連れてこないですけど、ちゃんとコミュニケーション取れる人、ちゃんと話して納得できる人ってのが大事だと思ってますし、そういう人を選んでるつもりです。それから、今一緒にやってくれている人たちはみんな自分のプライドを持っている人たちなので、別に自分も、自分の言ったことに従って欲しいってことでもないんですよ。とにかくみんなで考えながら作っていきたい方なので、ある意味共作というくらいの心持ちでやってます。
ー 「モラトリアム・カットアップ」はプロットがしっかりあって物語が動いていく感じがしたんですけど、周りの人のアイデアはどのくらい受け入れていくんですか?
自分はわりと全部受け入れます。脚本は結構かっちり書くんですけど、かっちり書いた上で、何やってもいいですよという感じで伝えるんです。ポイントはここなんですって伝えて、あとは好きにやってもらうことが多いです。だから完全にコントロールしてるわけじゃないんです。
ー じゃあ、出演されてる方々の生き生きした感じは、現場でも本当にああいう感じだったということなんですか?
そうですね。だから生き生きした感じに一緒にやってくれそうな人たちに声をかけているという感じですね。
ー なるほど。伺っていると、さっき背伸びはしていないとおっしゃってましたが、本当にとにかくやるべきことを丁寧にやって撮ったという感じがしますね。
はい。もうそれに尽きると思います。こう見えて実は真面目にやっただけです 笑
目の前のことを着実にやってきたということだけですね。