在校生の皆さんへ
こちらに映画・映像 専攻教員による推薦作品のリストを掲載します。
ここに紹介した作品の多くは造形大学の図書館で観ることができます。
ぜひ利用してみてください!
※掲載は順不同。内容は随時更新される可能性があります。
川部良太
「映画」を、コンテンツとしてただただ〈消費者〉的に受容する態度を手助けするために推薦リストを書くわけではありません。
「映画」という表現行為が、今現在も、この現実世界をより仔細に感受し対峙するための実践的な思考の道具として、まさに試行錯誤され、蠢いている“行為/アクション”としてあるということを、感じてもらいたく書きました。少しでも、「映画」という表現行為そのものの可能性を、各々が〈作り手〉として批評的に捉え直し考えるきっかけになればと思います。
- 『ブルックリン橋から降りる旅客』 リュミエール社|1895年
- 『女の争い』 リュミエール社|1895年
- 『阿賀に生きる』 監督:佐藤真|1992年|日本
- 『阿賀の記憶』監督:佐藤真|2004年|日本
- 『鉄西区』 監督:ワン・ビン(王兵)|2003年|中国
- 『真昼の不思議な物体』 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン|2000年|タイ
- 『ワイルド・ブルー・ヨンダー』 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク|2005年|イギリス・フランス・ドイツ
- 『2/デュオ』 監督:諏訪敦彦|1997年|日本
- 『A2』 監督:森達也|2002年|日本
- 『さくら隊散る』 監督:新藤兼人|1988年|日本
- 『夜明け前の子どもたち』 監督:柳澤寿男|1968年|日本
- 『親愛なる日記』 監督:ナンニ・モレッティ|1993年|イタリア
- 『そして人生はつづく』 監督:アッバス・キアロスタミ|1991年|イラン
- 『ハンモック』 監督:パス・エンシナ|2006年|パラグアイ
- 『憂鬱な楽園』 監督:ホオ・シャオシェン(侯孝賢)|1996年|台湾
- 『青の稲妻』 監督:ジャ・ジャンクー(賈樟柯)|2002年|中国
- 『愛の予感』 監督:小林政広|2007年|日本
- 『高校』 監督:フレデリック・ワイズマン|1968年|アメリカ
- 『さようならCP』 監督:原一男|1972年|日本
飯名尚人
その土地の、その時の文化背景、社会背景、人々の価値観を調べながら観ると、映像の中に物語を読み解く情報が無数に映っていることがわかります。
作品を家で見るときも、なるべく良い画面(テレビに繋ぐなど)、良い音(ヘッドフォンやスピーカーにつなぐなど)で、初めから最後まで作品を楽しんでください。
- 「書かれた顔」 The Written Face(1995)ダニエル・シュミット ー スイス・日本
- 「Kazuo Ohno」(1995) ダニエル・シュミットー スイス・日本
- 「ブンミおじさんの森」Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives(2010)アピチャートポン・ウィーラセータクン ータイ
- 「楽日」(2006) 蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)ー台湾
- 「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人 事件」A Brighter Summer Day (1992)楊徳昌(エドワード・ヤン)ー台湾
- 「デカローグ」 The Decalogue(1989)クシシュトフ・キェシロフスキ ーポーランド
- 「1000年刻みの日時計 牧野村物語 」(1987)小川紳介 ー日本
- 「マニラ・光る爪」MAYNILA: SA MGA KUKO NG LIWANAG(1975)リノ・ブロッカ ーフィリピン
- 「コード・アンノウン」Code Unknown(2000)ミヒャエル・ハネケ ーフランス・ドイツ・ルーマニア
- 「ベニーズ・ビデオ」Benny’s Video (1992)ミヒャエル・ハネケ ーオーストリア
- 「アンビリーバブル・トゥルース」The Unbelievable Truth (1989) ハル・ハートリー ーアメリカ
- 「少年と自転車」Le gamin au vélo(2011)ジャン=ピエール・ ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟 ーベルギー
- 「ツィゴイネルワイゼン」(1980)鈴木清順 ー日本
- 「アニー・ホール」Annie Hall(1977)ウディ・アレン ーアメリカ
- 「カオス・シチリア物語」Kaos (1984) 監督 パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ ーイタリア
- 「ミスター・ミセス・ミス・ロンリー」(1980)神代辰巳 ー日本
- 「ゴッドファーザーPART II」The Godfather Part II (1974)フランシス・フォード・コッポラ ーアメリカ
- 「O氏の肖像」(1969)長野千秋 ー日本
- 「ユリシーズの瞳」Ulysses’ Gaze (1995)テオ・アンゲロプロス ーギリシャ、フランス、 イタリア
- 「こうのとり、たちずさんで」The Suspended Step of the Stork(1991)テオ・アンゲロプロス ーギリシャ
- 「アワー・ミュージック」Notre musique(2004)ジャン=リュック・ゴダール ーフランス・スイス
- 「ベルリン・アレクサンダー広場」 Berlin Alexanderplatz (1980年)ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー ーどいつ
- 「永遠の僕たち」Restless (2011) ガス・ヴァン・サント ーアメリカ
- 「熱波」Tabu 2012 ミゲル・ゴメス ーポルトガル・ドイツ・ブラジル・フランス
安野太郎
バーっと思いついた20作品を挙げました。特に音楽やサウンドに着目したというわけではありません。違う日に20本あげたとしたら、また違う結果になったと思います。こうして並べてみると傾向がめちゃくちゃですね。なんで90年代の映画が挙がらなかったんだろう? そういえばこの頃は音楽に興味を持って実際にはじめたり、音大受験したりで映画をあまり見てなかったな。ここにはとても挙げることができないような裏20本もあったりしますが、それは本当に興味ある人だけが個人的にこっそり聞いて下さい。
フランケンシュタイン(1931) ジェイムズ・ホエール
(僕の活動のゾンビ音楽の参照元はまずはフランケンシュタイン博士から)
生きる(1952) 黒澤明
(学生時代に授業でみた映画で一番ぐっときた)
愛のコリーダ(1976) 大島渚
(色々と思い出すだけで・・・)
ゾンビ Dawn of the Dead (1978) ジョージ・A・ロメロ
(ゾンビの基本)
コヤニスカッツィ(1982) ゴッドフリー・レッジョ
(主従とかがない、音楽と映画の対等な関係)
ミッキーのクリスマスキャロル(1983) ディズニーアニメ
(クリスマス時期にこれを見てるのが大好きでした)
グーニーズ(1985) リチャード・ドナー
(子供の時におおいに触発された)
アリオン(1986) 安彦良和
(たのんでもいないのに母親がテレビ放送を録画していて、とってもはまった。母親センスいいなって思った。今でも好き)
ダウン・バイ・ロー(1986) ジム・ジャームッシュ
(どの役者もかっこよすぎ)
フルメタル・ジャケット(1987) スタンリー・キューブリック
(俺は厳しいが公平だ。人種差別は許さん。◯豚、◯豚、◯豚を俺は見下さん すべて平等に価値がない!)
ゆきゆきて、神軍(1987) 原一男
(この作品のだいぶ後に公開された別監督の同じ題材(奥崎謙三)の物と合わせると、非常に絶望的な香ばしい気持ちになれます。)
ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000) ラース・フォン・トリアー
(映画の構成も素晴らしいけど、ビョークの音楽!)
ボウリング・フォー・コロンバイン(2002) マイケル・ムーア
(マイケル・ムーアになってみたい)
シティ・オブ・ゴッド(2002) フェルナンド・メイレレス
(勝手にブラジルの深作欣二だと思っています。最近あんま映画作ってないっぽいのが寂しいです)
誰も知らない(2004) 是枝裕和
(心臓がぎゅーってなる映画。)
太陽(2005) アレクサンドル・ソクーロフ
(この企画を実現してくれてありがとうって思いました)
ヨコハマメリー(2006) 中村高寛
(ハーフとして身につまされるシーンがある)
第9地区(2009) ニール・ブロムカンプ
(社会問題をメタファーとした描き方)
イングロリアス・バスターズ(2009) クエンティン・タランティーノ
(ラストに近いシーンにメディアの亡霊性が詰まっている。)
インターステラー(2014) クリストファー・ノーラン
(宇宙とか時間の話が大好きです)
新感染 ファイナル・エクスプレス(2016) ヨン・サンホ
(去年一番泣けた。なんでだかわからないけど。ただ機械としての自分にある涙腺スイッチを押されただけかも。それが良いことなのか、悪いことなのかはさておき)
稲葉雄介
学生の皆さんとの会話のきっかけになればと、好きな作品を20本選びました。他の先生方と被らないよう考慮しつつ。歴史上素晴らしい作品は数多くありますが、生理的に自分の一部のように感じるものは案外少ないのかもしれません。他人の作品を自分の一部だなんて図々しい気もしますが、ここに挙げた大切な映画たちはどれもそういう感じです。
ちなみに今年観たものでは『ライオンは今夜死ぬ』が心に響きました。あと本数の都合で入れてませんが、カウリスマキ、スタローン、ギリアム、アピチャッポンなど(挙げたらきりがありませんが)も大好きです。皆さんと映画の話をするのを楽しみにしています。
さらに余談ですが、こうして思い返してみると「どう観たか」はよく覚えていても、細かいシーンの内容など「何を観たか」をあまり覚えていないことに気が付きました。せっかくいろいろ観てきたのにと、少し落胆しました。淀川長治さんみたいに映画を「暗唱」できるようになりたい。
『キートンの探偵学入門』 (1924 | アメリカ)
監督 : バスター・キートン
『荒野の決闘』 (1946 | アメリカ)
監督 : ジョン・フォード
『冒険者たち』 (1967 | フランス・イタリア)
監督 : ロベール・アンリコ
『恋愛日記』 (1977 | フランス)
監督 : フランソワ・トリュフォー
『ブロンコ・ビリー』 (1980 | アメリカ)
監督 : クリント・イーストウッド
『鬼龍院花子の生涯』 (1982 | 日本)
監督 : 五社英雄
『ラブ IN ニューヨーク』 (1982 | アメリカ)
監督 : ロン・ハワード
『モスキート・コースト』 (1986 | アメリカ)
監督 : ピーター・ウィアー
『愛しい人が眠るまで』 (1990 | イギリス)
監督 : アンソニー・ミンゲラ
『クローズ・アップ』 (1990 | イラン)
監督 : アッバス・キアロスタミ
『恋のためらい/フランキーとジョニー』 (1991 | アメリカ)
監督 : ゲイリー・マーシャル
『プロジェクト・イーグル』 (1991 | 香港)
監督 : ジャッキー・チェン
『石』 (1991 | フランス・ベトナム)
監督 : トラン・アン・ユン
『ブラザー・マクマレン』 (1995 | アメリカ)
監督 : エドワード・バーンズ
『ブエノスアイレス』 (1997 | 香港・日本・韓国)
監督 : ウォン・カーウァイ
『Tokyo Eyes』 (1998 | フランス・日本)
監督 : ジャン=ピエール・リモザン
『さゞなみ』 (2002 | 日本)
監督 : 長尾直樹
『Solace』 (2005 | アメリカ)
監督 : ジャレッド・カトシエン
『36』 (2012 | タイ)
監督 : ナワポン・タムロン・ラタナリット
『ひとひら』 (2018 | 日本)
監督 : 吉田奈津美・町田梨華
吉開菜央
はじめまして。吉開菜央です。
映像技法を盗むために気になるDVDを大量に借りたりしていた時期もありましたが、こうして並べてみるとやはり、映画館に足を運んで大画面、大音量を全身で堪能して観たものが多く残っています。他にも好きな映像はたくさんありますが、体験として大きかったのは今のところ、この20作品です。もちろん今はネットで観られる映像もたくさんあって、それはそれで有難く、そのフォーマットだからこそ楽しめるものも数多く生み出されているのだと思いますが、映画館という暗闇に身を投げ打って体験することの強さを、最近は特に感じています。
- 「花筐」 大林宣彦
映画が良すぎて、隣の隣くらいで観ていた見知らぬ人と、「花筐」について語るために思わずお茶をするという珍事まで起こりました。映画にはそんな、見ず知らずの他人と急に心を通い合わせるきっかけになるパワーが秘められているのかと改めて感じました。
- 「エヴォリューション」 ルシール・アザリロヴィック
彼女の作品はどれもとても好みで、観ているだけで天国にいるような気持ちになれます。画と音がずっと心地よいです。
- 「闇のあとの光」 カルロス・レイガダス
こちらも画と音のマジックで楽園に連れて行かれる映画です。出てくるのは悪魔、のようなものなのですが。
- 「ネオン・デーモン」 ニコラス・ウィンディング・レフン
美をテーマにしたというこの作品、出演する女性たちが本当にただ美しいだけでしかなくて、美を極めるとここまで人は空っぽになるのかと恐ろしい気持ちになりつつ、なぜかすごく爽快でした。
- 「マッドマックス 怒りのデスロード」 ジョージ・ミラー
言わずもがな、の、アクション映画の最高峰なのだと思いますが、個人的にはこの映画の編集を、ジョージ・ミラーの奥さんであるマーガレット・シクセルが、ふだんはドキュメンタリーとかテレビドラマを編集されていた彼女がこの映画を編集した、そしてこの出来上がりになったというのが一番興味深いです。
- 「アデル ブルーは熱い色」アブデラティフ・ケシシュ
カメラワークがものすごく好みです。
- 「籠の中の乙女」ヨルゴス・ランティモス
とじこめられていた少女が外の世界への脱出を試みるお話は、ずっと昔から好きな物語なのですが、この映画はその「やったった」感が一番すさまじいです。
- 「ローザス ダンス ローザス」ティエリー・ドゥメイ
コンテンポラリーダンスカンパニー[Rosas]が、もともと舞台作品だったものを映像作品としてリメイクしたダンス・フィルムの傑作。監督は、音楽を担当しているティエリー・ドゥメイ。
- 「DIRECTORS LABEL クリス・カニンガム BEST SELECTION 」
こちらはクリス・カニンガムのMV全集です。すべての動画の動きが完全に音ハメされるという点で、「ローザス・ダンス・ローザス」のころのアンヌテレサと近い方向を向いていたのではないかと思ってしまいますが、彼のなんといってもすごいのは、実写とCGの組み合わせ方。なにが実写でどこからがCGなのかいまだにわかりません。
- 「オテサーネク」ヤン・シュヴァンクマイエル
これは、観ていてとてつもなく不快になるほうの映画で、嫌いといっても過言ではなくて、それでも映画館であると聞くと観に行きたくなってしまう力があります。
- 「コングレス未来会議」アリ・フォルマン
このお話のテーマが、すごく、重い、、。
- 「かぐや姫」 高畑勲
大好きな映画ですが、同時期に出た宮崎監督の「風立ちぬ」と女性の描写が正反対なところも、興味深かったです。
- 「ダブル ブラインド」 ソフィ・カル
もはやVHSしかないかもしれない本作ですが、、わたしは冬の山奥でこのビデオを見つけてひとりで夜な夜な観てしまいました。
いわゆるセルフドキュメンタリーの類かもしれませんが、それでもソフィ・カルさん自身の演出は絶対に入っていて、それがとても恐ろしかった。
- 「お嬢さん」パク・チャヌク
パッケージからは、レズビアンホラー映画に見えるけれど、これはまっとうな喜劇です。オール韓国人キャストで日本人の役を無理やり演じるさまも、狙っているのかいないのか。でもきっと笑わせにかかっているのは間違いないでしょう。
- 「フレディのわいせつな関係」トム・グリーン
Netflixでも観れます!2002年のゴールデンラズベリー賞で5冠を達成したらしいですが、最高です!
- 「トータル リコール」ポール・バーホーベン
この監督さんが最近気になっています。
- 「未来よ こんにちは」ミア・ハンセン=ラブ
時間が空いてふっと観に行ったら、けっこう良かったのです。じわーっとほぐされました。
- 「ウンタマギルー」
飯名さんのおすすめ映画とかぶってますが、かぶせてもいいと思うくらいの、作品です。
- 「汚れた血」 レオス・カラックス
飯名さんのおすすめ映画とかぶってますが、かぶせてもいいと思うくらいの、作品です。
- 「土の人」山城知佳子
展示映像作品なので簡単に観ることはできない作品ですが、展示がある際は、ぜひ足を運ぶと良いと思います。
五十嵐耕平
割りと最近の、90 年代以降のものを多く選びました。 観たか観てないかは別にどうでもいい事かとも思うのですが、単純にこういっ た映画を観た後に友人と話をしてその映画のある視点を発見したり友人独自の 世界の捉え方を感じたりすることがすごく楽しかったですし、現実の生活でも その発見はいろんなものとの関係性を豊かにしていくとも思うので、そのよう に使ってもらえればと思います。
- 『サンライズ』(1927) 監督:F・W・ムルナウ
- 『街の灯』(1931) 監督:チャールズ・チャップリン
- 『人情紙風船』(1937) 監督:山中貞男
- 『ドイツ零年』(1948) 監督:ロベルト・ロッセリーニ
- 『めし』(1951) 監督:成瀬巳喜男
- 『フレンチ・カンカン』(1954) 監督:ジャン・ルノワール
- 『抵抗 死刑囚の手記より』(1956) 監督:ロベール・ブレッソン
- 『はなればなれに』(1964) 監督:ジャン・リュック・ゴダール
- 『ハズバンズ』(1970) 監督:ジョン・カサヴェテス
- 『動くな!死ね!蘇れ!』(1989) 監督:ヴィタリー・カネフスキー
- 『牯嶺街少年殺人事件』(1991) 監督:エドワード・ヤン
- 『愛の誕生』(1993) 監督:フィリップ・ガレル
- 『河』(1997) 監督:ツァイ・ミンリャン
- 『一瞬の夢』(1997) 監督:ジャ・ジャンクー
- 『骨』(1997) 監督:ペドロ・コスタ
- 『美しき仕事』(1999) 監督:クレール・ドゥニ
- 『ファンタズマ』(2000) 監督:ジョアン・ペドロ・ロドリゲス
- 『ブリスフリー・ユアーズ』(2002) 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
- 『鉄西区』(2003) 監督:王兵
- 『リヴァプール』(2008) 監督:リサンドロ・アロンソ
日下部隆太
僕は映画を見て、人と話すことが好きです。
自分にとってどんな映画だったのかを話したり、人がどんなふうに感じたかを聞いたりする時間は、普段自分がどんな視線に支えられて生かされているのかを想像し直してみる時間に繋がっているように感じます。学生の時から今日まで、たくさん考える時間をもらった映画を選びました。
- 「スリ」 (1959) ロベール・ブレッソン
- 「人間ピラミッド」 (1961) ジャン・ルーシュ
- 「不滅の女」 (1963) アラン・ロブ=グリエ
- 「DOG STAR MAN」 (1964) スタン・ブラッケージ
- 「アルファヴィル」 (1965) ジャン=リュック・ゴダール
- 「ベトナムから遠く離れて」 (1967) クリス・マルケル
- 「リトアニアへの旅の追憶」 (1971) ジョナス・メカス
- 「ホームワーク」 (1989) アッバス・キアロスタミ
- 「臨死」 (1989) フレデリック・ワイズマン
- 「二十歳の死」 (1991) アルノー・デプレシャン
- 「愛情万歳」 (1994) ツァイ・ミンリャン
- 「ラブ&ポップ」 (1998) 庵野秀明
- 「ヴァンダの部屋」 (2000) ペドロ・コスタ
- 「工事中」 (2001) ホセ・ルイス・ゲリン
- 「SELF AND OTHERS」 (2001) 佐藤真
- 「長江哀歌」(2006) ジャ・ジャンクー
- 「光の墓」 (2015) アピチャッポン・ウィーラセタクン
- 「苦い銭」 (2016) ワン・ビン
- 「風の電話」 (2020) 諏訪敦彦
- 「セノーテ」 (2020) 小田香
柏屋拓哉
- 「ソナチネ」 北野武
- 「3-4X10月」 北野武
- 「イン•パブリック」 ジャ•ジャンクー
- 「マルサの女」 伊丹十三
- 「ポンヌフの恋人」 レオス•カラックス
- 「ブリスフリー•ユワーズ」 アピチャッポン•ウィーラセタクン
- 「羅生門」 黒澤明
- 「レーニングラード•カーボーイズ•ゴー•アメリカ」 アキ•カウリスマキ
- 「ピクニック」 ツァイ•ミンリャン
- 「砂の女」 勅使河原宏
- 「パリ、テキサス」 ヴィム•ベンダース
- 「1000年刻みの日時計 牧野村物語」 小川紳介
- 「台風クラブ」 相米慎二
- 「山椒大夫」 溝口健二
- 「道」 フェデリコ•フェリー二
- 「メトロポリス」 フリッツ•ラング
- 「マグノリア」 ポールトーマス•アンダーソン
- 「悪い男」キム•ギドク
- 「野獣死すべし」 村川透
- 「ミツバチのささやき」 ビクトル•エリセ
順不同
沖啓介
SF映画
- 2001年宇宙の旅 スタンリー・キューブリック 1968
- 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか スタンリー・キューブリック 1963
- 惑星ソラリス アンドレイ・タルコフスキー 1974
- ブレードランナー リドリー・スコット 1982
- her/世界でひとつの彼女 スパイク・ジョーンズ 2014
1920年代アヴァンギャルド映画
- アンダルシアの犬 ルイス・ブニュエル/サルバトル・ダリ 1928
- Anemic Cinema マルセル・デュシャン 1926
- Le Retour A La Raison マン・レイ 1923
日本映画
- ゴジラ 本田猪四郎 1954
- 戦場のメリークリスマス 大島渚 1983
- パッチギ 井筒和幸 2005
日本の実験映画
- Spacy 伊藤高志 1981
映像インスタレーション
- Buddah ナムジュン・パイク 1974
映像パフォーマンス
- TVチェロとビデオ・テープのための協奏曲 ナムジュン・パイク 1971
ミュージックビデオ
- Bijork, All is Full of Love クリス・カニンガム 1999
- OK Go, Upside Down & Inside Out Damian Kulash, Jr. & Trish Sie 2016
ゲーム映像
- Minecraft Notch (マルクス・ベルソン) 2009
- ADAM Veselin Efremov 2017
アニメーション映画
- ファンタジア ベン・シャープスティン監督 ウォルト・ディズニー制作 1940
- 風の谷のナウシカ 宮崎駿 1984
森田のり子
いざ選んでみると、おすすめしたい作品が多すぎて 30 本になってしまいました(本当はまだまだあります。他の先生 がよく挙げておられる作品は省きました)。ドキュメンタリーを中心にするつもりでしたが、結果的にはとにかく好きな 映画、衝撃を受けた映画を挙げることにしました。ソフト化されていない作品も多少ありますが、上映会などのチャン スを狙ってみてください。こんなに面白い映画がたくさん存在するなんて、世の中も捨てたものではないですね。
- 1.戦艦ポチョムキン(セルゲイ・エイゼンシュテイン/1925)
- 2.裁かるるジャンヌ(カール・テオドア・ドライヤー/1928)
- 3.カメラを持った男(ジガ・ヴェルトフ/1929)
- 4.生まれてはみたけれど(小津安二郎/1932)
- 5.有りがたうさん(清水宏/1936)
- 6.五人の斥候兵(田坂具隆/1938)
- 7.戦ふ兵隊(亀井文夫/1939)
- 8.市民ケーン(オーソン・ウェルズ/1941)
- 9.自転車泥棒(ヴィットリオ・デ・シーカ/1948)
- 10.教室の子供たち(羽仁進/1954)
- 11. にっぽん昆虫記(今村昌平/1963)
- 12. 三里塚シリーズ(小川紳介/1968-1977)※シリーズで一体として捉えて何本か見 た方が面白い
- 13. ねじ式映画 私は女優?(岩佐寿弥/1969)
- 14. 水俣 患者さんとその世界(土本典昭/1971)
- 15. リトアニアへの旅の追憶(ジョナス・メカス/1972)
- 16. 不知火海(土本典昭/1975)
- 17. HOUSE(大林宣彦/1977)
- 18. 15 日間(鈴木志郎康/1980)
- 19. ノスタルジア(アンドレイ・タルコフスキー/1983)
- 20. 生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言(森崎東/1985)
- 21. 阿賀に生きる(佐藤真/1992)
- 22. パブリック・ハウジング(フレデリック・ワイズマン/1997)
- 23. A(森達也/1998)
- 24. 新しい神様(土屋豊/1999)
- 25. 風花(相米慎二/2001)
- 26. 眠り姫(七里圭/2007)
- 27. 相馬看花(松林要樹/2011)
- 28. 恋とボルバキア(小野さやか/2017)
- 29. 菊とギロチン(瀬々敬久/2018)
- 30. ヴィタリナ(ペドロ・コスタ/2019)
ファン・ギュンミン
作家性や作品の完成度とは関係なく、真っ先に頭の中に浮かんできた作品を選びました。いずれも見るだけでワクワクする、内容が理解できなくても、映像そのものに面白さを感じた映画です。あくまで自分の好みに頼って作成したリストですが、見ることの楽しさが共有できればと思います。
- 『M』(1931)監督:フリッツ・ラング
- 『市民ケーン』(1941) 監督:オーソン・ウェルズ
- 『男の争い』(1955)監督:ジュールズ・ダッシン
- 『召使』(1963)監督:ジョゼフ・ロージー
- 『5時から7時までのクレオ』(1963)監督:アニエス・ヴァルダ
- 『はなればなれに』(1964) 監督:ジャン=リュック・ゴダール
- 『サムライ』(1967)監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
- 『人生劇場 飛車角と吉良常』(1968)監督:内田吐夢
- 『心中天網島』(1969)監督:篠田正浩
- 『犬神家の一族』(1976)監督:市川崑
- 『オープニング・ナイト』(1977) 監督:ジョン・カサヴェテス
- 『シャイニング』(1980) 監督:スタンリー・キューブリック
- 『タンゴ − ガルデルの亡命』(1986) 監督:フェルナンド・E・ソラナス
- 『ヨーロッパ』(1991)監督:ラース・フォン・トリアー
- 『乙女の祈り』(1994) ピーター・ジャクソン
- 『バッファロー’66』(1998)監督:ヴィンセント・ギャロ
- 『エターナル・サンシャイン』(2004)監督:シェル・ゴンドリー
- 『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004) 監督: エドガー・ライト
- 『白いリボン』(2009)監督:ミヒャエル・ハネケ
- 『淵に立つ』(2016) 監督:深田晃司
宮本裕子
- 濱口竜介『親密さ』
- タルコフスキー『ノスタルジア』
- アントニオーニ『欲望』
- フェリーニ『8 1/2』
- トリュフォー『映画に愛を込めて アメリカの夜』
- ヴェンダース『ベルリン天使の詩』
- 川島雄三『しとやかな獣』
- 成瀬巳喜男『あらくれ』
- リンチ『マルホランド・ドライブ』
- ワイルダー『お熱いのがお好き』
- ホークス『ヒズ・ガール・フライデー』
- ムルナウ『サンライズ』
- ボセージ『第七天国』
- スパイク・リー『ドゥ・ザ・ライト・シング』
- キム・ボラ『はちどり』
- 田中絹代『乳房よ永遠なれ』
- セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』
- ウォン・カーワイ『花様年華』
- レオス・カラックス『汚れた血』
- 押井守『パトレイバー2』
髙橋康煕(助手)
○映画
- 『奇妙な女』(1946|アメリカ|エドガー・G・ウルマー,ダグラス・サーク)
- 『ロベレ将軍』(1959|イタリア|ロベルト・ロッセリーニ)
- 『大菩薩峠,大菩薩峠 竜神の巻,大菩薩峠 完結篇』(1960,60,61|日本|三隅研次,森一生)
- 『秋津温泉』(1962|日本|吉田喜重)
- 『女体』(1964|日本|恩地日出夫)
- 『秘密の儀式』(1968|イギリス|ジョセフ・ロージー)
- 『少年』(1969|日本|大島渚)
- 『インディア・ソング』(1974|フランス|マルグリット・デュラス)
- 『熱い賭け』(1974|アメリカ|カレル・ライス)
- 『天使の影』(1976|ドイツ|ダニエル・シュミット)
- 『発禁本「美人乱舞」より 責める!』(1977|日本|田中登)
- 『さらば愛しき大地』(1982|日本|柳町光男)
- 『テンダー・マーシー』(1982|アメリカ|ブルース・ベレスフォード)
- 『火山のもとで』(1984|アメリカ|ジョン・ヒューストン)
- 『私の中の娼婦』(1984|日本|武田一成)
- 『恋文』(1985|日本|神代辰巳)
- 『アブラハム渓谷』(1993|ポルトガル|マノエル・ド・オリヴェイラ)
- 『愛の誕生』(1993|フランス|フィリップ・ガレル)
- 『アフターグロウ』(1997|アメリカ|アラン・ルドルフ)
- 『汚れた女』(1998|日本|瀬々敬久)
◯書籍
- 『詩学・詩論』(アリストテレス,ホラティウス|岩波文庫)
- 『G.H.ミード著作集成:プラグマティズム・社会・歴史』(ジョージ・ハーバート・ミード|作品社)
- 『視覚的人間:映画のドラマツルギー』(ベラ・バラージュ|岩波文庫)
- 『小説の理論』(ジェルジ・ルカーチ|ちくま学芸文庫)
- 『ベンヤミン・コレクション1:近代の意味』(ヴァルター・ベンヤミン|ちくま学芸文庫)
- 『愛国者たち』(藤枝静男|講談社文芸文庫)
- 『悲しいだけ/欣求浄土』(藤枝静男|講談社文芸文庫)
- 『他者のような自己自身』(ポール・リクール|法政大学出版局)
- 『ミシュレ』(ロラン・バルト|みすず書房)
- 『童女入水』(野坂昭如|岩波現代文庫)
- 『偶然性・アイロニー・連帯:リベラル・ユートピアの可能性』(リチャード・ローティ|岩波書店)
- 『社会喪失の時代:プレカリテの社会学』(ロベール・カステル|明石書店)
- 『成熟と喪失:“母”の崩壊』(江藤淳|講談社文芸文庫)
- 『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』(大江健三郎|新潮文庫)
- 『物語批判序説』(蓮實重彦|講談社文芸文庫)
- 『自由と権利:政治哲学論集』(ジョセフ・ラズ|勁草書房)
- 『ヘーゲルの実践哲学:人倫としての理性的行為者性』(ロバート・B.ピピン|法政大学出版局)
- 『もっとも崇高なヒステリー者:ラカンと読むヘーゲル』(スラヴォイ・ジジェク|みすず書房)
- 『小説的強度』(絓秀実|福武書店)
- 『トクヴィルの憂鬱:フランス・ロマン主義と〈世代〉の誕生』(高山裕二|白水社)