映像身体演習(研究指標科目)
授業担当:飯名尚人
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映像パフォーマンス、現代アートの中の映像インスタレーション、インタラクティブアート、プロ ジェクション・マッピング・・・映像表現は様々なところで融合し、表現されています。 この授業では、映像パフォーマンスを創作します。
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マルチスクリーンによる映像パフォーマンス
2台のワイドレンズプロジェクターを使って、2面の映像が連動したプログラムを「ISADORA (イサドラ)」というソフトウェアで作ります。このプログラムソフトを使って、パフォーマンス をグループで制作します。
条件
・1チーム5分のパフォーマンスを発表すること
・2面の映像を用いること
・身体表現を使うこと
・照明は1つだけ使ってよい
・物語、お話を作らないこと
映像とパフォーマンスの視覚的なバランスが難しいところです。映像だけで成立してしまうとパフォーマンスがいらなくなりますし、パフォーマンスだけが目立ってしまっても映像の意味がありません。映像とパフォーマンスが同時に成立する演出アイディアを見つけないといけません。
例えば「時間」という概念を考えてみると、2面の映像とパフォーマンスですから、3つの時間がそこに現れます。それぞれに過去・現在・未来という時間を与えることが可能です。「空間」という概念で考えれば、3つの空間がそこに生まれています。「存在」という概念で考えれば、映像の中の身体と、ライブパフォーマンスの生の身体との違い、ズレを考えることになります。
演出として、身体を立体的に配置することは重要です。壁に映写された映像は平面的ですが、その前で動く身体は立体です。その身体を平面的に空間に配置するのではなく、立体的に配置していきます。そのためには照明による効果を上手に利用することも必要です。 映像と照明のバランスを考えることで、パフォーマンスする身体がはっきり浮き上がってきます。
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映像セノグラフィー(映像を使った舞台美術)
この授業で学生たちは、このあと「映像セノグラフィー(映像を使った舞台美術)」を考えていくことになります。スクリーンの素材を選び、自分たちでスクリーンを制作するところから映像を作ります。映像を立体的に空間に配置し、その中で身体が演じる場を演出していきます。
(文/飯名尚人)