【Class Diary】「手話演劇」クリエイティブ・カウンセリングⅠ(1年生)

「手話演劇」

クリエイティブ・カウンセリングⅠ(基礎科目)

授業担当:飯名尚人

クリエイティブ・カウンセリングⅠは、映画・映像専攻の1年生が必ず受講しなければならない授業のひとつです。映画・映像表現では、カメラの身体性、被写体の身体性、監督の身体性が大事です、それは身体によるコミュニケーションとも言えます。身体でのコミュニケーション方法を獲得して、豊かな映像表現を目指します。 今回は、ゲスト講師に田中夏結先生をお招きしました。今年度、この授業でテーマとしている「ノンバーバル・パフォーマンス(非言語パフォーマンス)」の一環です。 学生たちは、手話でいくつかの単語を覚え、その手話を使って即興演劇を作ります。 

授業の内容 

・手話による自己紹介

・手話で単語を覚える

・グループワーク:手話だけで即興芝居 その1

・手話の単語を増やそう ・グループワーク:手話だけで即興芝居 その2

・発表と講評 

田中先生は、通っていた演劇スクールで知り合った聾唖の女優さんとどうしてもコミュニケーションを取りたくて、独学で手話を覚えたそうです。「手話は、社会貢献、福祉のためだけでなく、自分の表現方法の一つとして使っていいんですよ」と教えてくれました。 「覚えた手話をどんどん使ってみてください。挨拶だけでもいいんです。聾唖者の方が、 あ、手話で答えてくれた!嬉しい!って感じてくれます。こちらも、伝わった!という感動があります。」 

「手話は、手だけではなく、表情や全身で表現して!」と田中先生。

同じ手の動きでも、動かし方や表情が加わると別の意味にもなるそうです。学生たちはグループごとに、覚えた手話を使って即興演劇を創作しました。 即興劇、という課題も重要な要素です。日常のコミュニケーションは即興の連続です。シナリオがありません。相手や環境にその都度敏感に反応して答えながら生活しているのです。 日常生活の中では、つい言葉だけで済ませてしまうこともありますし、伝わってるはず、と思い込んでしまっていることもあります。映画や演劇での、俳優の台詞も同じです。台詞は発しているけれど、その言葉は観客に伝わっているのだろうか。言葉だけなく、表情や身振り手振りで一生懸命に相手に伝えようとする努力がコミュニケーションを生み出します。(文/飯名尚人)