[専攻ガイド] カリキュラムについて

われわれは、ジャンルで表現を区別しない。既存を疑う。

ここは、映画の父リュミエール以来の「映像のドキュメンタリー性」を全ての映画映像表現の可能性の核に据え、足元のリアルと、フィクショナルな想像の彼方を、アクロバティックに架橋する自分なりの方法を、実験・開発するファクトリー。

ここでは日々、〈わたし〉の孤独や不安を手放すことなく、〈あなた〉との未知なる出遭いに賭ける。
Here 〈ここ〉とThere 〈よそ〉を、過去と未来を、自分と他者を、あらゆる二元論を超えて媒介させる「映画映像表現」を探求しています。
「生きること=表現すること」の絶えざる実践として、この世界を「見ること」と「聴くこと」のプロフェッショナルになるために。

カリキュラムについて

一人一人の4年間の、“その先”を見据えたカリキュラム

映画・映像は、物質的なものづくりとは異なり、「見ること」と「聴くこと」という知覚行為を、表現に飛躍させるという特質があります。
映画・映像専攻は、この世界を「よりよく見ること」と「よりよく聴くこと」ができるプロになるために、自分なりの方法を開発するファクトリーであることを目指しています。
映画・映像専攻で学ぶ4年間は、自己表現を超えて、他者や社会に向けて作品を問える作家になるための制作態度と制作動機を身に付ける時間です。
4年間を通して、特定の分野の技術的エキスパートであることを超えて、いかなる表現領野や仕事に関わるとしても、主体性と批評性を持ってクリエイションを実践していくことができるような、オールラウンドな「ディレクション能力」を、一人一人が身につけることを目指します。


カリキュラムの特色(他大学との違い)

コースを区切らず重層的で円環的な学び

「ジャンル別」や「制作担務別」に修学コースを区切ることなく、「クリエイティブ・カウンセリング」という“個々人のクリエイティビティを躍動させる対話の時間”を中心に据え、担務横断的・ジャンル横断的な全人的演習授業を平行して履修できるカリキュラムを用意しています。


カリキュラムの3つの柱

実写表現という核と、ドラマ・アート・ドキュメンタリーの3本柱

コースを区切らず多種多様な表現を取り扱いますが、ベースとなるのは実写表現を核にした、「ドラマ」「アート」「ドキュメンタリー」という3つの柱を重視した学びです。既存の表現を批評的に捉え直し、自分なりの方法論を見つけるために、3つの柱を軸にした多様な映画映像表現と制作担務を、相互連関的・融合的・拡張的に学びます。


授業の基本デザイン

「自己との対話」と「他者との対話」を重視

映画映像表現の根幹は、コミュニケーションとコラボレーションの躍動を掴むこと。
コミュニケーションとコラボレーションの相手は、他人だけではなく、カメラやマイクといった映像デバイスから、空間や自然や自身の身体… etc でもあるかもしれません。学期ごと並行的に配置された「個人制作課題」と「グループ制作課題」を通して、一人の表現者になるべく、自己と他者との対話のレッスンを繰り返していきます。

クリエイティブ・スパイラル

「作品の質」だけではなく「プロセスの質」を重視

創作に不可欠な「考える」「つくる」「見直す」「対話する」という行為サイクルを、授業内容に応じて、各授業の進行過程に組み込み繰り返し実践していくことで、「作品の質」を、具体的な「制作プロセス」の結果として捉えられる省察力を養い、表現者どうしが協働的に創作し、試行錯誤しながら学び合える場を用意しています。

イラストレーション:鈴木愛加